皆さんのおかげで、今日、2学期の終業式を迎えることができました。皆さんのがんばりと協力に、感謝いたします。
さて、12月12日は、「いいじ、いちじ」と意味づけて、「漢字の日」にしています。毎年、この日に、今年の世相を表す漢字が発表されますが、皆さんは、今年の漢字が何か知っていますか。「金」です。世相を表す漢字は1995年に始まり、来年2025年には30周年を迎える、年末の風物詩の一つとなっています。今年、選ばれた金という字は、実に3年ぶり5度目の選出となります。
今年を振り返ると、皆さんは、どんな出来事を思い浮かべますか。1月には、能登半島地震が発生し、今なお避難所生活をしている方がいます。7月には、20年ぶりとなる新紙幣が発行されました。また、パリオリンピック・パラリンピックが開幕し、スケートボードやフェンシング、体操など日本選手団が活躍しました。8月には、宮崎県沖で最大震度6弱を観測し、初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。9月には、大谷翔平選手が、史上初50本塁打・50盗塁を達成しました。10月には、石破 茂さんが第102代内閣総理大臣に就任しました。
「金」の選出理由としては、パリオリンピック・パラリンピックで多くの金メダルを獲得したことや、佐渡の金山が世界遺産に登録されたこと、新紙幣の発行など「光」の側面のほか、政治の裏金問題や闇バイトによる強盗事件、止まらない物価高騰など「影」の側面も注目されたことが挙げられました。
今、皆さんは、スマートフォンやタブレット端末などを活用し、オンラインで人とつながったり、必要な情報を得たりすることが容易にできるようになりました。昔は、人とつながるために、相手のことを考え、多くのエネルギーと時間を使い、やっとつながった喜びから、人を敬い、大切にする気持ちを育んでいました。
でも、今は、1秒でつながります。相手の立場や気持ちを考えず、自分の気持ちを一方的にぶつけてしまい、相手を傷つけてしまったことはなかったでしょうか。また、社会はさまざまな情報にあふれ、ものすごいスピードでよい情報も悪い情報も動いています。一旦、悪い情報に乗ってしまうと、正しい判断ができなくなり、裏金問題や闇バイトにつながってしまったのだと思います。
皆さんにお願いがあります。今から、自分が言葉にしようとしていること、行動しようとしていることは、「本当に正しいことなのか」を繰り返し問い続けてください。一旦、立ち止まって考えたら、それは正しいことではない、間違っているかもしれないと気付くこともあると思います。そして、「半々の心」をもってください。自分のことしか考えていない人は、周りの人のことも考えください。逆に、周りの人のことしか考えていない人は、自分のことも考えてください。心の中で、自分と周りの人が、半分半分で存在していたら、少し気持ちが軽くなり、人とのかかわりが変わるかもしれません。
12月はじめの人権週間でも考えたと思いますが、人は誰でも幸せになるための答えを探すことができます。また、人は弱いからこそ、助け合い、支え合うことの大切さを知っています。そして、皆さんには夢を叶える可能性があります。夢を叶えるためには自ら挑戦しなければなりません。そして、今日よりも明日、明日よりも明後日と、日々自分が成長していることを実感しながら生きていくことができたら、自信にもつながり、もう一歩、もう一歩と努力し続けることができると思います。
しかし、夢は簡単には叶いません。努力の過程で、うまくいかなくなったり、壁にぶつかったりして、前に進めなくなることもあります。自分がつまずいたときに、どこに助けを求めればよいかを考えることも大切です。助けを求めることも、よりよく生きていくためには、なくてはならない力です。親、兄姉弟妹、友達、先生など、皆さんの周りには、助けてくれる人の存在があります。「困った」「助けて」と言える人になってください。
最後に、ゴルゴ松本さんから、メッセージをいただきましたので紹介します。
半田中の生徒さんが真剣に聴いてくれて、自分も最初から最後まで、熱い気持ちを届けることができました。生徒さんの質問で、あんなに素直な心でぶつけてくれる学校は、そうはありません。半田中が好きになりました。今度、地方のグルメ番組に出させてもらったとき、半田市や知多半島のグルメを紹介することになりますが、半田中に行ったことをテレビで伝えたいと思っています。
それから、周りの人を応援できる人になってください。親でも、ライバルでも、応援する気持ちがあれば、もっと人は分かり合えるし、自分もがんばれるようになると思います。人のために気配りができることは、いつかめぐりめぐって、自分に返ってきます。人は、勇気、元気があれば、何でもできます。中途半端ではなく、一生懸命、全力で取り組んでください。自分の言葉や行動に、命を吹き込んでください。
人と人のつながりは、偶然ではなく必然だと感じることがあります。人生二度なし。この人とは、もう二度と会えないかもしれないと思うことがありますが、半田中の皆さんには、また会える気がします。いや、いつか会いに行きたいと思います。ありがとうございました。
ゴルゴ松本さんに、半田中のよさが伝わってうれしく思います。
さあ、新しい年がすぐそこまで来ています。2025年は、巳年です。脱皮し、強く成長する蛇は、その生命力から「不老長寿」を象徴する動物であり、神の使いとしても信仰されてきました。巳年は、「努力を重ね、物事を安定させていく」といった縁起のよさを表しているそうなので、皆さんのこれまでの努力が報われるよう、3学期も自分を信じて学び続ける人であってください。
3学期、元気に会いましょう。